東北は春と梅雨のちょうど間、湿気の無いさわやかな風とともにたっぷりとした新緑が楽しめるギリギリの期間です。こういう時こそ、自転車に乗っていろんなものを吐き出したり吸収したりしなくちゃね…ってことで、福島は裏磐梯の湖、檜原湖へ行ってまいりましたよ。
東北人の大半は車を持っているので、輪行などというおしゃれなことはせず、というかする必要がなく、車にぽぽーんと自転車を積んで目的地に向かい、そこで自転車をおろして組み立てていざゴーゴー、となります。
今回は画像多めで旅の楽しさ、檜原湖の美しさ等々をお伝えしようと思いますよ。
というわけで、桧原湖にやってきました。実は、翌26日には桧原湖ファミリーサイクリング大会が開かれるためか、それとももともと、桧原湖はロードレースが盛んなゆえかはわかりませんが、ローディさんやサイクリングをする方がちららほらら。気温は23度、ほぼ無風という良い条件の中、我々もいそいそと出発します。
実は、去年の9月くらいに野暮用でここに来たことがありまして。朝起きてロビーに行くと大量のサイクルジャージの人たちがいて何事か、と思ったらスカイバレーヒルクライムという大会があったみたいでして。せっかくだからと観戦していたら、見知ったピンクジャージのみなさまもいらっしゃったんですよ。じゃあ、ってことで…
緩やかだけど足にそれなりにクる道を、新緑を眺めながらふらふらと登り…
暑いとかもうダメ…とか、「これ以上体力使ったら吐いちゃう」とか言いながらも、標高1000m地点に到達。
人間だけじゃなくて虫たちも季節がいいっていうのはわかっているらしく盛大なお出迎えと応援をされながらさらに上ります。
実に楽しそうですね、俺。たまには私だって写真に写りたいのだ。
どうだいこの景色。バイクの皆さんも楽しそうに登ったり、あるいは下ったりしていますが、その光景を見た奥さん曰く「エンジンは甘え」。
山と同じ目線ですよ。ええ、かなりの上から目線ですね。奥にうっすらと磐梯山、その手前には檜原湖(かな?)が見えます。ガスもなくくっきりと写る光景は、さながら絵葉書のよう、というのは言いすぎかしら。
そうこうしているうちに、東鉢山七曲りに到達。もう少し登れる体力はあったものの、奥様の「ここをてっぺんとする!」の宣言の元にヒルクライムは終了。ダウンヒルへと転じます。ダウンヒルの途中の写真?そんなもん怖くて取れるわけないでしょう…あたしゃ蔵王でダウンヒル中に落車して天国の爺様と軽く挨拶した男ですよ?怖い怖い。
蔵王もこんな感じですけど、木漏れ日の中をたらたら走るのは本当にいい気分です。車どおりも少ないし、もちろん人通りも少ないので「この光景全部俺らのもの!」みたいな感じもしますね、なんて考えていたら、野生のサルとばったり会ってみたり。「おう、なんだお前ら?」と言わんばかりの顔をされました。すみませんすみませんとスルーして湖へ。
桧原湖に戻ってくると、いい加減お腹が空きました。お勧めされた山塩ラーメンはバイカーの皆様が大挙していたようなのでスルー。道の駅まで頑張るかーと思っていた矢先に現れたのが古民家のお蕎麦屋さん。その名も「蕎麦古家」さん。
左にちょっと見切れているのはおそらく店主の岩佐さんの自転車。NISHIKI の MTB ですよ。大事に乗ってらっしゃるようできちんと磨かれておりました。
たぶん、ローディーさんが結構やってくるのでしょうね。レーパンレーシャツ姿の我々を見ても驚いた様子もなく「いらっしゃい、どうぞー!」と中に入れてくれました。
天盛り1,280円也。私はどちらかというとこう、肉とか揚げ物とか濃いものが好きな人間なのですが、この蕎麦には興奮させられましたよ。ぷりぷりと言っても過言ではない食感に蕎麦の香り、ほんのり甘い感じすらする蕎麦がするすると喉を通る感触は、何物にも代えがたいものでした。手前のてんぷらはあっさりと塩でいただき、イワナの身の魅力、山菜の歯ごたえや香りを十二分に堪能できるものでした。まあ、私ごときが筆を尽くしても絶対に伝わらない美味しさであることは間違いないです。あと、水が甘い。水蕎麦サイコー。
さて、後半戦。
湖面が見えるほどきれいな水の湖の横を駆け抜けます。うむ、磐梯山が美しい。
途中で道の駅裏磐梯へ。焼き栗マシーンにびっくりしてみたり山塩アイスとわさびアイス、どんぐりアイスなどを堪能し、ゆるゆるとサイクリングを楽しんで、この日は終了と相成りました。44.48km を 3時間10分。なかなかの標高差。
たまにはこういうのもいいもんです。そう頻繁に行くことはできないってのもいいのかもしれませんね。しかし本当に綺麗だった。裏磐梯サイコー。
そして よ が あけた。
食べ過ぎたお腹をさすりながらヒルクライムをすることになり…
いえーい。
何やってんでしょうね(苦笑
自転車生活楽しいです。家からどーんと遊びに行くのもいいですが、こういうたびライドも赴きあっていいもんですよ。機会があれば是非是非。
おまけ
これは某あの人に届けねばならぬ…