はいどうも、漬物さんでございます。
うちの 29er の権太君(MERIDA BIG.NINE 900)は、いろいろあって入院生活を送っていたのですが、先々月に部品が郵送されてきまして大復活を遂げたのでした。
ロードともクロスとも違い、MTB は悪路を走れる自転車です。初心者もいいところの私ですが、以前、裏磐梯は南ヶ丘牧場でいろいろ教えてもらったり遊んだりしたのが楽しすぎました。さぁ悪路を走ろうじゃないか!と思ったのはいいのだけれど、さてどこを走ったもんか。南会津はさすがに遠い。近場になんか、なんかないかな、とググってみたところ林道を二つ見つけました。ご紹介しましょう。杭城林道&杭城山林道と大堤林道です。
雨上がりに数時間の余裕ができたので、様子見がてら 29er を引っ張り出します。途中でコンビニにより、行動食を購入。田舎育ちであるので、知らない山に何の準備もなく入るほどアレじゃございません。熊鈴に飴玉、各種薬に飲料水多め。同じく多めの行動食と寒さをしのぐ上着。念のためエマージェンシーシートとコンパスも持っていきますよ。
今回行くのは比較的電波があるはずの地域でもあるし、山登り山歩きを趣味とする人たちにとっては意外にメジャーだという話も聞いているし、問題はないはずなのですが、こればっかりは気分の問題でもあります。ブルべと一緒。
さて一発目。杭城林道です。ここを通ると仙台市指定史跡でもある杭城舘跡に行けるらしいのですが、そこに至る道は示されていません。そんなヤバそうなところに自転車持っていくのもアレなので、林道を堪能することを第一に行って見たいと思います。ゴーゴー。
…っと、結構な斜度をえっちらおっちら登っていくとあっという間に杭城林道終了のお知らせ。ここからは杭城「山」林道となるようですね。ではどんどん。
ってあれ?随分短かったなー。道は大体砂利が敷かれてあるので問題なく行き来できます。乗車率は 100% でした。
なかなかの汚れっぷりと汗だくな感じに満足…といえば満足なのだけれど、もうちょっと楽しみたい。もう一本行ってみましょう。
ちなみに、今回通った道はこちらになります。
さてと、大堤林道というものがあるらしいのですが…と来てみたところ、私有地だから通ってはいけませんよ的な看板が。
あら残念…と思いきや、その看板の横手に林道の表示がありました。やったぜ。
様相は杭城(山)林道と大差はありません。固く締まったダートをもりもりと上ります。雨上がりの森の空気は癒されますね。マイナスイオンがどうだこうだ言うつもりはありません。単なる概念的なものです。
乗車率は 100% ですが、さすがに疲れてきました。はしゃぎすぎたかな、と苦笑しつつゆるゆるとペダルを回すとなにやら久しぶりに人工物が目に入ります。なになに…
三日月不動尊…?徒歩 5 分で行けますよとのこと。ちょうどいいや、お参りがてら休憩していくか。とそこに至るであろう道を覗き込んでみると
え、マジっすか。なんか川底みたいになってるけど、道なんだよね?通れるの?
…と、3 分ほど悩んで行くことにしました。通りますよとご挨拶もしておいたほうがいいだろうし。
(5分後)
(15分後)
おいいい、自転車で、しかも下りで15分経ってもつかねえじゃねえかよ。川に出ちゃったぞ?上流にはなにやら土嚢が積んであるし。ほんとにこっちでいいのかいな。
さすがになんかおかしい、とスマホで調べてみると…
「仙台の神社たち」より
この不動尊は山奥にあり、沢(萱場川)を渡らなければ辿りつけない、という難易度の高い場所にあります。
谷底に到着。しかし、お目当ての不動尊はここにはありません。ここから少し沢を上流に遡ったところにあります。
土砂崩れが起きており足場が非常に不安定で、気をつけないと簡単に足をくじいてしまいそうです。ここで長靴に履き替え。
これぁ…素人さんには無理だ。
帰りましょうそうしましょう。しかし結構な斜度でガンガン谷底に来たってことはこれ、かなりきっつい上り返しじゃないのだろうか、とジッと上を見る。
すみません心が折れそうです…。粘土質の土に靴のブロックパターンは詰まっちゃうわ、泥で滑るわというところをえっちらおっちら登っていきます。ひぃひぃ。
ふと気づけば土砂崩れってるし。足踏み外したらまっさかさまに落ちてデザイヤですよ。くわばらくわばら。
ようやく元の地点に戻ってきました。徒歩 5 分の基準について、建立された方にひざ詰めでお話を伺いたい所存。
さすがに疲れたので、今日はこの辺にして戻ろうかな、とパンをもぐもぐやりながら時計を見ます。時間にも食料にも余裕はあるけど、体力はかなり失った。予定ではあと数キロ弱でアスファルトに出る予定。ここは今、杭城山の裏手になってるはずだから…あと 1km くらいで下り基調になるはずなんだよなあ、などと考えながら逡巡。
おなかも膨れたし、まあ、ヤバそうなら戻ろう、と奥に進みます。
ところが、いけどもいけども上り基調。道としては乗車できるレベルではあるものの、体力温存もかねて押し歩き。はぁはぁ言ってはいるものの、テンションは特に下がることはなく。山の植物をみながらえっちらおっちら。久しぶりだなあ、ゆっくり山歩きするなんてのは。
とはいえ、ちょっとばかり不安になってきました。ここからもと来た道を戻るだけの体力は温存しているつもりなのですが、地図上、この先に道はないことになっています。
ちょっとわかりにくいのですが、地図上の道はここが終端です。まさかドンと道がなくなってるってことはあるまい。最悪 1km も藪漕ぎすればアスファルトがある普通の道に出れるはずです。GPS はまさに命綱ですね。確固たる意思決定ができる装置を携帯できているというのは本当に心強い。
結論から言うと、道はありましたよ。人が一人通れるくらいの…いわゆるシングルトラックってやつですか。きれいな道でした。笹の葉の間を抜け、上記の道を通り木の根っこを飛び越えて。これぁ楽しいや、あとどれくらいで終わるのかなあとステムを見ると、あるべきはずのものがありません。
etrex30 紛失。
おおおぉおおおいいいい!?アレなかったら俺は死んでしまうかもしれん。血相変えてきた道を戻ります。ドキドキしながら下を見て、時計をちらっと見て。どこまであったっけ。うわあどうしよう…と焦りながら戻ること 100m ほど。幸いにも画面がこちらを向いている状態でぽつんと落っこちてました。やべえやべえ。裏っかえしになっていたらわからなかったかも。きちんと装着して再スタートです。
シングルトラックがおわり、うねっとした土の道にスラローム状態で出て、しばらく行くと唐突にアスファルトの道路につながります。いやあ、何とか無事下山することができました。短い距離だからと言って舐めちゃいけませんね。
水分を補給して、穂給食を食べて一息ついて周りを見渡すと…なんとなく既視感を感じます。いやいや、あれ?この道、俺知ってるぞ?
etrex の地図を引き延ばして、大倉ダムに行くときにいつも通る道だということに気づきます。おお、ここに出るのか…これはいいコースを見つけたかもしれない。
なお、今回通ったコースはこちら。
意気揚々と車を置いた場所までかえります。対向車や通りすがりの人が、泥だらけの車体と同じくらい泥だらけな本体をみて若干引いている気がしますがとりあえず気にしない方向で。いやあ、ちょっと怖かったけど楽しかった!
ロードバイクを買ったとき、東京の友人に「えええ…東北なら MTB じゃんよ…」とがっかりされたことがあったのですが、確かになあとちょっとだけ思いました。近場にこんなところがあるってのはたしかに幸せなことだし、MTB を乗り回したくもなるもんな。
毎回毎回無謀な冒険譚のようになってしまっているものの…死なないように気を付けているつもりではいるんです。ただ、一人で行くのは危ないなというのも痛感しました。奥様はすでに 29er を購入済みなので、今度は二人で林道開拓してみたいなあと思います。MTB タノシー!
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