2014年10月27日月曜日

【書評】 自転車で 1 日 500km 走る技術


 はいどうも、漬物さんです。こんにちはこんにちは。

 自転車関連の本や雑誌は結構買ったり読んだりしているのですが、いろいろな理由で紹介できないモノ、したくないモノだったり、自分の力じゃ伝えきれないモノばかりな気がしてあまりご紹介はしておりませんでした。

 が、諸事情で少し時間ができたことと、久々にグッと来たこともあって、紹介しちゃいます。その筋ではとても有名な本なので今更感もあるかもしれませんが、まあ一つお付き合いください。
※ 失礼があったら素人の戯言とご容赦ください

表 紙

 掲題の通り、ランドヌール誌等々で超有名な田村編集長の『自転車で 1 日 500km 走る技術』のご紹介。発売当初からポチろうポチろうと思っていたのですがすっかり忘れてたのですが(失礼)書店でたまたま発見して即購入、即読了したのでありました。

■ 概要
 掲題の通り「自転車で超長距離を走るには何が必要なのか」を自身の経験や他の愛好家たちのお話から掘り下げていく内容。必要なのは体力でもトレーニングでも精神論でもない。知識、経験、情報、そして、それらに基づいた戦略を立てること。これを会得するのが楽しみでもあり、大変でもあり、ロングライドの醍醐味そのものなのだ―というのが概要。

■ 読みやすさ
 田村編集長の文章はぽんぽんとテンポが良いので大変読みやすいのですよ。一つ一つの文章が短いこともさることながら、章立てのつながりも良く、前の章で語られていたことはこういうことか、というのも用意に想起されてアハ体験(古いなあ)も可能。
 経験、失敗、戦略、成功が驕ることなく淡々と描かれているかと思いきや、時にその裏の「熱」にジュッとさせられるところもあったり。メリハリもあって本を読むのが苦手な人でも大丈夫。フォントも大きいですし。

■ 想定されている読者
 本の中でも書かれていましたが、一般の世の中において「自転車で 100km 走る」ってのはそれだけでも異常なんですよね。だからきっと、このタイトルで本書を手にする人ってのは
  1. いわゆるロングライドに興味を持ってる人達
  2. 「うわあ…こんなことやる人たちがいるんだ」という怖いもの見たさ旺盛な人達
  3. 600km ブルベを走り切れない人(=ロングライド経験者で悩んでいる人)
 の、上記3パターンじゃないかなあと思うのです。言わずと知れていますが、私は3番です。一番切実なタイプですね。
 近年、ろんぐらいだぁす!や弱虫ペダル(がロングライドに相当するかはともかくとして)、かもめチャンスやかわうその自転車屋さん等々、漫画やアニメの世界にロードバイクや自転車が取り上げられるようになりました。ので、1番や2番はこれらの方々を取り込めると思うのです。

 …なんでわざわざこんな話をしているかと言うと、読み終わって一番に思ったのがこれは背中を押す本だな、と感じたからです。自転車乗りたいなあ、ロングライド楽しいよなあ、次はどこ行こうかなあ、ライト新しいの買っちゃおうかなあ、そういや etrex30 のウェイポイント問題も解決しなくっちゃ、などなどと最近忙しさもあってちょっと遠のいていた自転車・ロングライドの楽しさが頭の中からボロボロでてきまして。私の少ない経験でもそういうのがわき出るんだから、あまり興味のない人に読ませてみたらどうなるだろう ― つまり、上記3パターンに当てはまらない人に対する布教用にこそ最適なんじゃなかろうか ― と思ったわけですよ。

■ その他雑感
 ロングライドの楽しさ・辛さがわかってる人にとっては共感できる内容が多いので、いろいろと思いだしてうわあああってなったりうんうんってなったりしながら、ロングライドへのモチベーションがふつふつとわき上がってくるとてもよい本だと思いました。戦略大事。
 未経験の方にはきっと、前述のとおり背中を押してくれる本だと思います。ナイトライドの怖さ、寒さの恐ろしさ、ルートの選択と取捨。ブルベの素晴らしさ。自分のプランを実現するための工夫や情報収集がいかに大事かなどなどエッセンスがどれも適度に合わさっているのですが、つまるところは戦略大事と言うことに尽きると思います。
 自転車すら未経験と言う人には、何言ってんだこの人たちは…と思うかもしれません。が、ちょっと読み進めてもらえればこういう世界もあるんだ。(いろんな意味で)凄いなあと思うでしょうし、もしかしたらちょっとやってみたいなあと思うかもしれません。いきなり 500km とは言いません。50km だって立派なロングライドですよ。

 しかし、本当にこう、こちらの世界に来てみませんか、と誰彼かまわずお誘いしたくなりますねこの本読むと。私もまだ雪が降らないうちにナイトライドしてこよう。奥さんも一緒に来てくれるかなー。


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