2015年11月2日月曜日

BB30: KCNC BB30 アダプターからの卒業。


 はいどうも、漬物さんですこんばんわ。
 このブログへのアクセスはだいたい BB30 関連とツール・ド・ラフランス、サイクルフェスタ丸森、ブルベ絡みで構成されているわけですが、ダントツに多いのは BB30 関連。あー、みんな悩んでるんだなあと思いながら見てますが、その「みんな」には私も含まれているわけですよ。

 雨ブルベ走って、大雨通勤を何回もして、ざんざか振りのスカイバレーヒルクライムで引導を渡してしまった BB30 ベアリングについてはこちらをご覧くださいな。この状態で渋峠登り切ることができたのは今でもちょっと自慢。

 さて、BB30 に愛想を尽かし、導入したのが KCNC の BB30 アダプター。その時の様子は「BB30:私、BB30 を卒業します!(BB30 アダプターを使用)」(2013年9月)にて記載した通り。

 その約1年後の2014年8月には、異音が発生しています。その時の様子は「BB30: KCNC BB30 アダプターにしてから1年が経過しまして。」にて記載した通り。洗浄とグリスアップで元に戻りましたが、10月のブルベに向けて結局すぐに新しいモノ交換してしまいました。

 そしてその10ヶ月後の2015年6月、再度異音が発生したかと思いきや実はペダルだったなんて記事も書きました。「BB30: KCNC BB30 アダプターにしてから「また」1年が経過しまして。」この時点ではアダプタはまだ元気だったのですが、原因究明のためにこれまた新しいアダプタをかましたわけです。

 なぜか買った当初から考えると千円くらい値上がってしまったこのアダプタ。付けるのも外すのも容易だし、中で連結するので「ぱこっと」はめるアダプタよりもずっと信頼性は高いと思うんですよね。

 なのですが。
 異音が出るたびに約6千円のアダプターを買うのはもう嫌なのですよ…。

 だいたい異音の原因はベアリング球のサビなので、きちんとメンテすればいいだけの話のような気がします。私にスキルと工具があればベアリングのみの交換でもよいでしょうが、今のところどちらもありません。

 ならばいっそ、FSA から出ている BB30 スリーブを埋め込んで、シマノの BB を使えるようにしたほうがいいんじゃないかな、と思いました。

 が、やっぱり怖い。

 KCNC のアダプターの良いところは脱着が簡単にできるところです。仮に FSA のスリーブをぶちこんだとして、それで異音が出た時にはもう後戻りできないんですよ。それに、自力圧入をする勇気もありません。ショップにお願いできればいいんでしょうけれど、こんな作業頼んでしまっていいモノかと言うのもあって…ね。

 じゃあ、SUGINO の BB30 アダプターにしようかな、と調べると、こちらはこちらで緩むだの浮くだのと問題があるようです。なにより圧入式なので取り外すためにガッツンガッツンフレームを打擲しなきゃいけないんでしょう?超面倒。

 じゃあ、TOKEN やクリスキングのかぽっとはめるタイプを…というのは逆に、内部でつながっていないがゆえにぜーったいゆるんだり浮いたりするはず。となると、アレしかありません。

 そう、 praxisworks のコンバージョン BB です。




 とはいってもこれ、なかなか入手性が悪いんですよねえ…と Web を巡っていると見つかるもんです。在庫限り大放出。流石 PAX Cycle さんだわよ。というわけで衝動的にポチッとな。すぐに我が家に届きました。ありがたやありがたや。


 おーぷん。

 ノンドライブ側に圧入する部分と、筒、ドライブ側からねじ込む部分の3パーツ構成となっております。筒は PF30 規格をコンバージョンするときに使うそうなので、今回、BB30 の私は使いません。

 KCNC のアダプタとの違いはいろいろある(コレットシステムとかもろもろ。こちら参照)のですが、私的にはベアリングの内径が 24mm であるということが結構大きいです。
 KCNC の場合は 25mm の汎用品(6805:内径25mmx外径37mmx厚さ7mm)を使っており、赤いプラスチックのシムで無理矢理内径 24mm を実現しています。で、このシムがベアリングの外周にあたるため、常に「プラスチックとベアリングが擦れている状態」を作り出してしまうわけですね。削ればいいっちゃいいんでしょうけれど、削れるほど柔らかい素材ではなく(≒固くて薄い)、すぐに割れてしまうのですよ。

 御託はさておき、作業に入りましょう。クランクをすちゃっとはずします。




 KCNC のアダプターもそうでしたが、ドライブ側とノンドライブ側が決められているので、説明書やアダプタ上の表記を見ながらセットアップしましょう。



 手でぐりぐりおしこめるのはここまで。ここからは圧入しなくちゃいけません。damn 圧入…と言いたくなるところですが、ここは我慢の子。ホームセンターから圧入工具を買ってきましょう。



 だ、だってさあ、ガチの圧入工具ったら高いんだもの。ボルト、ワッシャー、座金、座金、ワッシャー、ナットの順に組み上げて、ナットをしめればググッと座金同士が近づいていくというものですね。300円かかってないはず。




 緊張しながらぐりぐりまわすとするする入ります。圧入された後はBB工具でもないと動かせないくらいにぴっちり。ちなみに、この圧入具合は「Oリングが触れるか触れないか程度」公式動画ではキスするくらいな!キス!ってやたら Kiss を連呼してましたが…ちょっと圧入しすぎたかもしれない。うーむ。


 反対側はこんな感じ。ねじ切り部分がちゃんと来てますね。では、ネジネジしていきましょう。




 回せなくなるまで捻じ込めという指示があったので頑張りました。私の力の限界まで捻じ込みましたが「これ以上捻じ込めない」っていう感覚がなかったのがちょっと不安。うーん。

 まあいいや。すちゃっとクランクを付けましょう。グリスをたっぷり塗って…




 であっさり交換自体は終了。見た目はうーん、普通ですねえ。


 って、アレ?ドライブ側に隙間ができてます。これはいけません。説明書によると、ドライブ側に隙間ができないようにしてねと書いてあるんですよ。
 とはいえ、これ以上回せないしなあ。調べて回っていた時に、フレームによっては隙間ができないように削る必要があるだの O リングで何とかしただのショップに任せただの記述があるので、まあ、うん、あまり問題はないのでしょう。防水・防汚的な観点で、後で適当な O リングかましておきます。

 とはいえ、ドライブラインが 1mm 位ずれてるってことになるのか。大丈夫なのかなあ…と不安に思いながら試走へ行きます。個人的に異音坂と呼んでいる異音チェック用の坂を軽いギア、重いギア、シッティング、ダンシングでそれぞれ登って行きます。

 結果、もちろん異音はしません、変速は微調整で問題ないんじゃないかなあという感じ。特筆すべきはやっぱりクランクの周り具合。KCNC の時とは大違いです。機材に鈍感な私ですらわかるくらいペダルを回すのが軽くなってます。空転時の抵抗は段違いだし。これだけでも praxisworks のアダプタを使った甲斐があるってもんです。

 後の問題は、耐久性。ブルベで1年半使って大丈夫だったというレポはあるので大丈夫かなあとは思うんですけどね。そして、ドライブ側に出来てしまった隙間がどのように影響するかと言う2点かな。

 ただまあ、おそらく私の使い方では1年くらいでまたベアリングが腐ると思うんですよね。グリスアップをマメにするか、ベアリングプーラーを導入してベアリングのみを入れ替えるかを考えなければいけません。

 といっても、コンバージョンBBというか、アダプタと言うかに関してはこれで最後にしたいところです。これでも異音が出るようなら FSA のスリーブぶちこんで、シマノ製のBBを交換しながら使っていく方向に切り替えようと思っています。



 これからスポーツ自転車を始めようという皆さん、圧入 BB だけはやめときましょう。メンテに金と時間ばっかりかかっていいことなんか何もないです。本当に。

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