2016年1月18日月曜日

BRM116千葉200km(2Lakes) を終えて


 はいどうも、漬物さんです。

 夫婦でブルベに出走するのはなんとちょうど一年ぶりと言うことに気づきました。そうか、去年は夫婦でブルベに関わったのはスタッフ業務だけなんだ、とちょっとガックリ。とはいえ、仕方がなかったんですよ。2015年と言う年は、我々夫婦にとっては激動の新時代といった様相を呈しておりました。

 夫婦それぞれ会社でのごたごたが MAX になっていたり、それによるストレスからの体調不良がずっと続いたり。だからと言ってゆっくり休む間も与えられずにバタバタと引越。進まないあと片付け。縁あって猫様を 2 匹迎えて夢の多頭飼。自転車も縁あって 2 台増加。そうかと思えば不幸が続き、年末のまさにその日までバッタバタ…などなど、これ以外にも細かいことは死ぬほどありました。

 そんな中、何とか時間をねん出してブルベへ夫婦で…と思っては居たもののまったくタイミングが合わず、楽しみにしていた那珂川やランドネきたかん主催のブルベをキャンセルし…そのうち、私も 400km で失敗し…タイミングを失ったまま、ちょうど丸一年が過ぎたというわけです。

 ので、私としては、今回のブルベが奥様の復帰への嚆矢となってくれればいいなあと思っておりました。体調は万全とは言えないまでも、昨年のブルベ前に比べたら全然良いわけですしね。

 なんてちょっと偉そうなこと言ってますが、今回私は何もできませんでした。ぜーんぶ他の方におんぶにだっこ。自分のレベルって低いんだなあと痛感させられると同時に、長い距離を乗れる人、強い人ってのは自分の為だけの力が強いだけではないのだな、とも感じました。

 2016年と言う新しい年一発目としてはとても良いブルベとなりました。まずはスタッフの皆様に御礼申し上げたいところ。本当にありがとうございました。

 細かい顛末は長くなりそうなので、読みたい人だけパンツァーフォー。






 ちょっと事情があって奥様がブルベの準備をできないので…というより、まあ、こんなのはダンナの仕事です。自分のマシンと奥様のマシンの整備、持ってく物のリスト化と準備をしこしこと進めます。


 なんか視線を感じるなと思ったら上で寝てるケモノが 2 匹。時折眠たそうな眼を向けてきやがるhのだけど、お父さんいま忙しいからあとでね。


 GPS 派ですが、常にキューシートは持ち歩いてます。GPS のトラブルで DNF ってのは(やっちゃいそうですけど)出来ればやりたくないのです。スマホで補正しつつ、サイコンとキューシートがあれば走れるようになっておきたいという希望というか理想もあるのだけど、方向音痴だからなあ私。

 平地ブルベではほとんど活躍しない高低差のプロファイルもラミネートはしてあります。出来たものよりも、これを作る過程でたどるルートの予習のほうが大事なのかもしれませんね。

 せっせせっせとデータを作ったりラミネート加工したり、薬品やレインウェアその他の装備を準備しては Dynapack DX に突っ込みます。200km なのにダイナパックかと嗤うなかれ。ここには奥様への愛が詰まっているのですよ…っておい。
 


 大洗に連れてくぞお前は…。
 (BRM116 のスタート地点で、ツイッター見てた方から「今日はこれに猫入れてるんですよね」というツッコミを入れていただきました。)

 仙台市から大洗まではそんなに距離はないものの、東北道一本で行けるわけでもないので意外に時間がかかります。結果、4時間半の旅。宿にチェックインしてできなかった準備をちょこちょこと勧めます。


 大洗と言えば、ガールズ&パンツァーというアニメの舞台になっておりましてな。大洗発着のブルベに出るってんでいろいろ調べているうちに、ガルパンファンの方たちからいろいろと影響を受けて、立派なガルパンおじさんになりました。いわんさんにワッペンをいただいてしまったため、今回漬物家はあんこうチームとなります。かわいいですよね、これ。

 風呂に入ってさくっと就寝。そして、よが あけた。




 新年一発目。快晴で当日を迎えるものの寒いもんは寒い。その中を約100人が集まっての開催となります。やー、人多いなあ。
 いわんさん、R 宮城のスタッフ T さん、ぜっとさん、よっしーさん、のんのんさんにきんぢさんに隊長さんにミヤコさんに…他にもいろいろな方にご挨拶させてもらいました。みんな速そうで強そう。

 そして今回、ぜっとさんは新車での初めてのブルベだそうで。やあ、こう、フランスフランスしてる感じが凄くフランス。新年のあいさつじゃないだろ、このカッコいいフランス製エアロロードを Twitter にアップするのが先だろうとおっしゃっていたのでここにあげときますね。実際めっちゃかっこよかった。白いフレームもいいなー。



 「ブルベのお見送りをするために出没される方」がお見送りに私らのメットについているあんこうのマークを掲げながら行ってらっしゃい行ってらっしゃいと言ってくださっていたので、パンツァーフォー(戦車前進!)と一声叫んでからのスタートです。


 今回はぜっとさんと我々夫婦がプロトン?になっていきます。大洗町を抜け、平地をするすると進んでいくとあっという間に PC1 に到着。うん、調子良さそうです。



 スタッフさんものんびりと走っています…って思っていたら、最後尾をスイープする皆さんでした。速そうな人達ばっかり…というか重鎮さん達ばっかりじゃないか(滝汗

 奥様の体調はまあ、悪くは、無さそうかな?結構ゴホゴホしているもののさほどこう、機嫌が悪くなるほどのアレも無いようなので一安心。さくっと次のポイント、通過チェックへ向かいます。


 通過チェックではスタッフの方々出迎えてくれました。そして嬉しい嬉しい補給食!はすどらめっちゃ美味しかった!キウイどら焼きってのもあって、異次元級のうまさだそうで。これぁちょっとお取り寄せしなければ。これで奥様の元気もだいぶ回復…したものの。



 それなりに風はあるものの、総じて凪いでるといってもまあ、過言ではないレベル。そして快晴。 時折ボーナスのように来る追い風区間に差し掛かるもどうも調子が上がらない。集団はぜっとさん、我々、AJ 千葉の掃討部隊の 6 人となり私を除く皆さんでなんとなーく奥様を囲んで保護していただいているような塩梅に。しかし彼女にとってはそれはそれでプレッシャーなうえに申し訳なさ過ぎてこまるとのこと。わかるわかるその感覚。すみませんが、と離脱してなんとか土浦を目指します。まあ、土浦まで行けば輪行もできるしね、と言いたいところなんだけど、そこまで行ったらルート上返ったほうが速いのよね。


 ぜっとさんによる霞ヶ浦講座に聞き入りながら、なんとなーく、「これぁダメかもわからんね」と思っておりました。とはいえ、奥様の目から光は失われてないし、ぜっとさんが付いていてくれてなにくれとなく気を使ってくれていることもあって、私はふらふらと、20km/h のペースで走っておりました。

 何個かの PC や休憩ポイントを抜ける間には、あまりドラマらしいドラマもありませんでした。や、私には、ですが。おそらくぜっとさんにはぜっとさんの、奥様には奥様のドラマがあったはずです。私はもうなんか、あと何キロを何時間でアレだからと常に計算しながら走ってた気がします。計算することに特に意味はないのに。焦ってたんでしょうねえ。焦るような時間でもないのに。




 東北では見かけない…というか、北海道にしかないと思ってたセイコーマート、の、ホットシェフがあるところで休憩。残念ながら商品自体はすでに無くなっていましたがあったらここでハフハフご飯食べて DNF してたかもしれません。私は例によって例のごとく右腕にダメージが集中してしまい、ちょっと動かしただけでも二の腕のプルプルしたところの反対側(わかりづらい)がビキッと鋭く痛みます。バックミラーの確認や右方向に首を回して振り向きすぎたのがその原因でしょうが…泣き言言ってる場合じゃありません。うしろで黙々とあきらめずに走っている奥様と、ぜっとさんがいてくれて、自分は何もしてないのにイタイイタイなんぞという権利はありませんや。


 残り 15km ポイントで、ブルベ初投入の Serfas SL-255 の電池が切れたのをきっかけに一人で小休止。通勤で2時間使って、ブルベで5時間以上使って CATEYE HL-EL540 のローモードよりちょっとくらい感じを最後まで維持。電池交換後はハイモード同様の明るさになってくれます。レビューは後程詳しく書きますが、これはあたりでした。漬物家のメインライトは今後こちらになっていきます。

 平地に慣れ過ぎていた私たちがちょっとした坂で思いのほか苦しんでいるとき、どこからかメロディが聞こえてきました。時間は 2100 時ジャスト。目の前の看板には「大洗町」の文字。クローズまであと1時間…何事もなければ余裕綽々じゃないか。

 坂で積極的に押し歩きをする奥様に笑い話をかぶせる皆さんの温かい心遣いに泣きそうになりながら、ようやく、ようやく一年間のなんかモヤモヤした呪縛と言うか、厄が雪がれる時が来た。

 拍手でゴールを迎えられ、受付を見た奥様が最初に発した言葉は「ろ、牢名主…」だった。



 ろ、牢名主…ってお前失礼なと爆笑しながらかじかむ手でブルベカードやレシートをもさもさしてると暖かいお汁粉を「受付前ですけど」との控えめな言葉とともに勧めていただく。

 ああ、旨い。

 そうそう、去年 DNF した時もこれ美味しいなあ、悔しいなあと思いながら食べたんだっけ。今年は塩味はきいていないみたいだ。純粋に、これでもかっていうくらい、とてもおいしい。


 ゴール受付後、すぐに配布された完走メダル。今年からニューデザイン。感想の喜び倍増です。時間は13時間13分。またギリギリではあるものの…これでいいんです。や、その、スタッフの皆さんを長い時間拘束してしまうっていう意味ではダメなんですが、私たちとしては、これでまたスタート地点に立つことができたってわけなのです。

 改めまして、スタッフの皆さん(特に最後尾を守ってくださったみなさん)、ぜっとさん、ありがとうございました。今回の感想は本当に私以外の人のおかげです。


 さて実は、2000時にはゴールして、宴会でもしましょうなんて言ってたのですが着いたのは結局2143時。大洗では遅くてもだいたい2130時でラストオーダーとのこと。かてて加えて我らが泊まったお宿は23時が門限で一分たりとも遅れてはならんぞと電話で怒られてしまうくらいのお宿の為、なくなく宴会をキャンセル。待っててくださった方に置かれましては本当申し訳ありませんでした。


 時間もないので速攻で宿に自転車で帰り、車を持ってきて奥様を回収。宿へ再度急いでなんとか2240時くらいに宿へ滑り込むことができたので2300時までしか入浴してはいけないとキツく言われているお湯にジャポンとつかる。疲れは抜けないけれど、今は汗が流せればそれでいいや。しょぼしょぼした目をこすりながらお互いの健闘を讃えることしばし、気づいたら寝てました。明日は大洗観光だ…ぜ…




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 そして翌朝。R 宮城の T さんと朝ごはん。



 大盛りじゃなくて普通もりなんですけどねコレ(苦笑)。いわんさんと合流し、いざ大洗の街を巡るぜ!と怪気炎を上げたタイミングであべたくさんやよっしーさんたちと偶然合流。ここはプロのガルパンさんのお力を借りるに如くは無し。



 大勘荘さんへお邪魔。おお、アニメの中でこんなの見たことあるぞ…と盛り上がる前にアンコウ吊るし切りのための設置器具に目が行ってしまって近くにいた方と談笑するなど。このフックに骨をひっかけるんだ等々といろいろなお話を聞かせてもらい、逆に自転車の説明をする羽目になったりしながら和気あいあいと過ごす十数分。ああなるほど、こういう感じが大洗に何回も行こうという人達を生むんだなあなんて思いながら写真を撮らせてもらいました。我が家にあの網戸が導入される日も近い。


 スタンプラリーやってるらしいという話は聞いていて、早速集め始めるうちの奥様。スタンプ台紙があるなんてことは全く知らなかったため、御朱印帳に押そうとして逡巡するの図でありました。

 朝0900時から始まるらしい「朝マルシェ」と言うのがあるよーと教えてもらったので行ってみました。



 ん?


 Oh…明らかにブルベ勢(苦笑)。好きな人多いんだなあ。何やら書初め大会やお餅・お酒の配布などなどをやっていたようですが、ひとまず雰囲気を楽しんだらそれぞれのお店めぐり。あ、そうそう、プラウダ高校のバスマットを買わなければ…ってなんじゃこりゃ。


 ARAYA のディスクホイール!?な、なんでこんなもんが呉服店にあるですか。店主さんは自転車乗りなのかしら。しっかし…


 などと、架空の高校の指定店とは(笑)。手作り感あふれるこの案内には笑いました。いい意味で商店の人たちも楽しんでるんだなあ。おかみさんとも少しお話しさせていただきましたが、ルーマニアとかスイスからも来るんだよーとのこと。実際に名刺とか見させていただきましたが国交省の人とかも来てんのねw



 まるご水産というお店で干しイモを買おうと思ったのだけど、どこか道を間違って…というか、まず神社に挨拶するのが筋じゃないか?ということで、大洗磯前神社へお参りに。鳥居からの風景に思わず息をのんでしまいまいた。ああ、これぁ、神様いるな、なんて思って写真撮るのを憚ってしまいました。すごいなあ。

 そのあと、参拝ごに絵馬を見たり御朱印帳もらったり。同じ人が何枚も絵馬書いてるってのはこう、何かを感じますね、うん。そしてみんな絵がうまい。うらやましいなー。




 街中はこんな感じでパネルやら作品に関わるものがぽいぽい無造作に展示してあります。どのお店や近くの人も気さくに話しかけてくれたり、こちらも話しかけやすかったり。なんだろうこの感じ。うーん、こう、全然知らない街に、全然知らない人が来てるという状況のはずなのに、ガルパンという共通の話題なりなんなりがあるのでハードルと言うか垣根をすっと超えることができるんですね。のでまあ、大げさかもしれませんが、ここに居てもいいんだ的な誤解というか理解をしてもいいのかな、と思えることが魅力なのかもしれません。

 そういや、ウスヤ肉店さんでリボンの武者をお勧めされたので町内の書店で買っちゃいました。あそこの展示も凄かったなー。戦時の物資不足を逃げ延びた看板達とか超レアなの。江戸時代の版画とか。そういうの、なんの衒いもなく見せてくれるって凄いことだよねえ。

  んまあ、正直、その、アニメを見て、そのアニメに出てきたところを巡礼するってえのはこう、いい大人としてどうなのよなんて思ってましたが…それでお互いが気持ちの良い関係を築けているのであればそれは先入観や偏見で批判されるもんじゃないんだろうな、と思いました。今回のブルベも、アフターブルベも、いろいろな意味で色眼鏡で見ていた、曇っていた目からうろこが落ちました。今年はいい年にできそうです。
 


 戦利品の一部。ご主人様が検分中です。このマットで脚を拭きたいとのたまうので早速開封。


  メッセージの表面はロシア語でした。やー、凝ってるなあ。こういうこと言いそうなキャラクターが代表者のところの校章なんですよ。シベリア送りになるのは覚悟のうえで、私と猫たちの足をガシガシ拭いていきたいと思います。ちなみにモノはすごくしっかりしてて、漬物家史上最高の吸水力です。流石呉服屋さん…



  まあ、そんなこんなで今年はなんとか夫婦ブルベのスタート地点に立つこともできました。私たちが走るブルベは基本最後尾かつギリギリになると思いますが、生暖かい目で見てやってください。今年もどうか、よろしくお願いいたします。


2 件のコメント:

  1. 楽しかったなー。今年もヨロシクー!

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    1. やー、楽しかったですねえ。今年もおそらく飲む機会のほうが多くなりそうな予感ではありますが、ライド行きましょうライド。よろしくどうぞー

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