2015年11月4日水曜日

BB30: 【自己責任】 KCNC BB30アダプターの再利用


 はいどうも、漬物さんですどうも。

 長らく使ってきた KCNC の BB30 アダプタからついに卒業した…なぁんてことをかきましたが、おそらく、おそらくですよ、入手性やメンテナンスのしやすさからまた使用することになるんじゃないかなーと思っています。

 このアダプタはだいたい1年で異音が出てきますが、その原因はベアリングのサビやグリス抜け。アダプタそのものが緩んでたとか歪んでたとかいうことはおそらくなかったかと思います。シールドベアリングの上にシムがかまされているとはいえ、まあ、濡れやすいところでベアリングがむき出しであることには変わりないわけですよ。

 で、あれば。

 ベアリングさえ交換できれば、毎度毎度6千円も出してアダプタを買う必要はないってことになります。ちょうど手元に取り外したばかりのアダプタがあるので…破壊覚悟でチャレンジしてみましょう。




 要は、アダプタからベアリングを抜いてやりゃあことは済むわけです。本来、「ベアリングプーラー」とか「スライドハンマー」とかいう専用工具が必要になり、お値段はだいたい3,000円くらい。買ってもいいんですが、実際に工具を見に行くと「これ、ちゃんとひっかけられるのかなあ…」と思わざるを得ないサイズのものばかり。小さいベアリング専用はそれなりにお値段もする割にちゃっちい感じのものしかないし。うーん、こまった。

 となると、BB30よろしくアダプタからベアリングをたたき出すか、何かで引き抜くかの2択です。

たたき出すったって、径が40mm、長さ5㎝ほどのアダプタからベアリングを打ち抜くのは無理があります。固定するところがなさ過ぎて、アダプタを保持する力を担保することができません。

 んじゃあ引き抜くしかないわけですが、これがまた難しい。ベアリングの外径は37mmで、アダプタ外径はだいたい43mm程度。足場として 6mm しかありません。どこかに引っ掛けてベアリングだけを引き抜くってのは…それこそ専用工具でもない限りできないような気がします。

 ベアリングプーラーがダメならスライドハンマーかなあ…あれは高いし工具買いたくないしなあ…と悶々としながらあーでもないこーでもないと紙に落書きを続けること10分。足場についてはBBを回す工具をかぽっとはめてしまえば確保できることを思いつきます。そこからはもうあっという間。アレをこうしてこうか?んで、こうか。引き抜く…引き上げる…ネジ回す…とつぶやきながらついにユリイカ!となったわけです。

 前置きが長くなりました。早速ベアリングを抜いてみようと思います。れりごー。



 シムが邪魔なのでとります。これは指で簡単に取れるので問題なし。




 で、肝になるこちらを前回使った圧入工具もどき…というのもアレですね。長いボルトに取り付けます。


これの正体は爪付きナットと呼ばれるものですが、別にこれじゃなくてもいいです。ナットとワッシャーで十分代用できます。ちなみに入手先は100円ショップ。


 KCNC の BB30 アダプタの裏側に爪付きナットが来るようにセットしましょう。


BB工具をかぽっとはめます。ちなみにうちのはアストロプロダクツの安いやつです。


で、本当はいい塩梅の径の塩ビ管を用意するはずでしたが、買ってくるの忘れました。なんかないかなーと探して目についたのがスズランテープ。これの芯を使いましょう。BB工具の上にぽんとのせます。(良い子はちゃんと塩ビ管買ってきましょう。)




スズランテープの上に座金とワッシャをかまします。もうお分かりですね。そう、これにナットをかましてネジをしめれば爪付きナットが引き上がるという寸法です。



当たり前ですが、下のほうはレンチで固定しておかないと共回りしますので、こんな状態にして足で押さえておけば OK です。


ぐりっと。


パキパキっという音とともにベアリングが引き抜かれます。昔はOリングだけで止められていたらしいですが、新しいモノは圧入のみのようですね。

 ない頭でも絞れば智慧とベアリングは出てくるもんです。


抜けたベアリングは、以前の記事でも書きましたが汎用品です。サイズは内径が25mm、外径が37mm、厚さが7mm。6805と呼ばれる規格ですね。ベアリングも調べるといろいろあって楽しいんですよ。たとえばコレと交換するといいのかも?



 接触型とか非接触型とか、シールド式にもいくつか種類があるらしいのですが、特筆すべきはお値段ですよ。こんなもんで済むわけです。シマノのBB買うよりも安い!これなら異音が出てきて交換してもお財布的ダメージはさほどありません。逆に、お金持ちの人はセラミックベアリングを圧入してもいいですよね。確か Amazon にセラミックハイブリッドな6805が売ってました。いやいや俺ぁ安さを求めるぜってんなら monotaro で買ってもいいし、そこら辺のホームセンターで買ってもいいですし。サイズは変わらないまでもシールド部分を実際に目で見ると面白いですよ。

 私は是非 6805LLH とか使ってみたいんですが、どこにも売ってないんだよなあ。コストパフォーマンスで行けば 6805ZZ でしょうね。ちょっとお金出すなら 6805LLB とかかしら。

 圧入はこのへっぽこ圧入工具で何とかなります。が、高確率で斜めに入ろうとします。最終的にはぺこっとまっすぐ入りますが、気になる人は専用工具がいいでしょうね。ボルト、ワッシャー、座金、KCNCアダプタ、ベアリング、座金、ワッシャー、ナットをセットして絞めるだけでなんとかなるとはいえ、デリケートな部分なので。



 あっという間に圧入終了。アダプタに元からついてきているベアリングと本体の間の赤いシムは…入れても入れなくてもいいんじゃないですかね。私は外しました。シムも削れてるし、実際再度圧入したらそれが凄い抵抗になったもんで。(写真はシムを外す前)

 で、赤いシムを入れて元通り…はいいんですが、せっかくつけ外しができるようになったんだから元から内径24mmのベアリングを入れてシムを排除すれば、抵抗がなくなる分だけ回転性能は向上するはずですよね。そんなベアリングは…あるんだなこれが。BB90用のベアリング。ドンピシャで内径24mm、外径37mm、厚さ7mmです。行きつけのショップが TREK を扱っているなら、すぐに手に入る可能性もあります。

 前述した 6805 というのはサイズの規格なのですが、どうも内径 24mm っていうのはないみたいなんですよね(※ サイズ表)。特殊規格のようなで、「MR2437」 というようなキーワードでググればそれなりのものがヒットするはずです。

 というわけで、KCNC の BB30 アダプターを延命すること自体は素人作業ながらできそうです。ちなみに現段階で、取り外しと圧入は試したものの、実走は試していません。ので、ベアリング交換がちゃんと機能するかはまったくわかりません。あくまでも投資がすべてパーになる覚悟でもって自己責任でお願いします。

 でも、これができるようになるとかなり夢は広がると思うんですよね。praxisworks の耐久性テストが終了したらすぐにでもこっちを使いたいくらい。今現在このアダプタを使っていて、異音が出た人は、買い替える前にベアリングの交換を検討するのもよいのかもしれませんが、興味がある人だけ、自己責任でやってみたらいいと思います。

 うし、ベアリング探しの旅に出よう!

2 件のコメント:

  1. ども、OTです

    こういうの大好きですw

    返信削除
    返信
    1. ありがとうございますw
      まっとうにお金をかければいいだけの話なんですが、貧乏ローディ楽しいですぅ

      削除