※ 旅行記です。料理関連情報はほんのちょびっとです。※
せっかく遠出するんだから、見るべきところや美味しいものの情報は仕入れておかなくちゃ、といろいろと調べていると、2009年だけに、飯坂温泉に2,009円で泊まろうキャンペーンというのがやっており、なにげなーく申し込みをしてみたら…あたってしまいました。ホワイトデーはどうしようかなぁと考えていた我々にとっては渡りに船。
夢枕獏著『陰陽師』よろしく
「ゆくか」
「う、うむ」
「ゆくか」
「ゆこう」
「ゆこう」
と、そういうことになった。
というわけです。
※ 以下、写真・文章が多めに入りますので、ご興味のある方だけ「続きを読む」をクリックしてください。
福島市には4年間住んでいましたが、飯坂温泉に行ったのは…2回ですかね。先輩の傷心を癒すために鯖湖湯に入りに行ったのと、ゼミ旅行が確か飯坂だったと思います。あれ、土湯?高湯だったかな?いずれにせよ、自力で飯坂温泉へ行ったのは1月が初めて。気合を入れていろいろ調べた反動か、今回はなーんも調べませんでした。目的も、観光というよりは「お湯に入ってご飯食べてご酒をいただいて本読んで寝る」ためだけに行くという方向へスイッチ。
当日。
ゆーっくり起きてもそもそと準備。今回は我が家が待ち合わせ場所。そろそろ約束の時間かなぁという時刻に電話が鳴ります。
漬物「おはようございます。漬物ですよー。」
相方「ご、ごめん。ちょっと家出れなくて…」
漬物「あらあらまぁまぁ。ちなみに起きたのは何時ごろ?」
相方「…。」
漬物「寝坊ですね?」
相方「や、ち、違いますよなに言ってるんですか私じゃなくて目覚ましが寝坊しただけd(ry」
というわけで、出発予定時刻を2時間ほどずらすことに。急ぐ旅でもないのでゆっくりと待ちます。あ、おやつがないなぁ、と台所へ向かい、ホームケーキミックス200g、牛乳大匙30cc、バター10gを混ぜたものを炊飯器にぶち込んでスイッチオン。まだまだ時間があるので、読みかけの
石川拓治著『奇跡のリンゴ』をぱらぱら。著者の語り口もさることながら、奇跡のリンゴを作っている木村秋則さんの凄絶な人生、植物に対する愛情、農家特有の文化の残酷さと優しさ、木村さんの笑顔の理由等々さまざまな要素に心打たれます。自然とは、農業とは、私たちの口に入るものとは一体なんなのか。そんなことをしみじみと考えさせられる良書です。興味のある方は是非ご一読ください。
蒸しパンそっちのけで読んでいると相方さんが到着したようなので、私と私の母上の三人でお茶することに。これどうぞー、と相方さんが取り出したのがこちら。

蒸しパン…だと…?そういや、3日前くらいにレシピを渡していたのをすっかり忘れてました。レシピに自分なりのアレンジを加えたらしく、黒糖を入れたり油を少なくしてみたりしたんだとか。包装にも凝ってきやがって…。
母上「あらあらまぁまぁ、これ、作ったの?きれいねぇ」
くやしいのうwwwwwくやしいのうwwwwwいやいや、見た目も大事ですが、やっぱり味。味で勝負ですよ。
母上「あらやだ、甘さ控えめで美味しいことー」
漬物「なん…だと…?(ぱくり)あらやだ、美味しいことー」
相方「初めて作って見たんですけど…思いのほかうまく行ってよかったです。」
母上「そういえば漬物、あんたもさっきなんか炊飯k」
漬物「い、い、いやいやいや、あれは違うの、違うんですよ」
相方「ん?なになに?」
母上「なんかねー、さっき台所でしこしことやってたみたいで…」
漬物「つつつつ漬物仕込んでただけだってばさ」
母上「へー?」
せっかく作って来てくれた相方さんの顔を潰すわけにも行きませんからね。母上には因果を含めておきました。すまん母上。美味しく食べちゃってください。
さてさて、ようやく出発。今回は「びつ子」(トヨタ出身。Vitzです。)で出発ですよ。

前回は雪が積もって怖かったのですが、今回は風に悩まされることになりました。まぁ、温泉に行くってのに快晴ではちょっともったいないような気もしますので、これくらいの悪天候でおkです。タイヤが細いせいか、たまーに風に煽られますが、(゚ε゚)キニシナイ!!
仙台から福島に行く途中に「
馬牛沼」という沼があります。鯉の養殖や沼乾かしでも有名なのですが、私たちの目に入ったのは
産直センター(注意:pdfが開きます)。があったので寄っていくことに。すきなんですよ、こういう直売所。漬物講座シリーズの松前漬けの回にチラッと出てくるビニール袋なんかにはモロに
花野果市場さん(注意:pdfが開きます)のロゴマークが入ってたりします。
風も強く、沼近くと言うこともあって寒い寒い。ドアを開けるとおばちゃんが二人して「いらっしゃいませー」と迎えてくれます。太い大根が1本60円だったり、糖尿病に効くといわれている「菊芋」があったりするのですが、こういうところには必ずあるんですよ、漬物の試食が!らっきょうの甘酢漬けに手を伸ばすと「今日はもうだんれもこねがらいっぱい試食しらいん~」とのお言葉。遠慮なくいただきます。うーん、市販のらっきょう漬けの甘ったるさはないのですが、糖度はこちらの方が高いなぁ。シャクシャクとした歯ごたえがたまりません。200g入って200円となりゃあこれは買いです。
「あとこいつもね、ワサビの葉っぱの漬物」
「うあー、これ好きなんですよ!売ってます?」
「試食用しかないんだわぁ。」
「(´・ω・`)」
あまりにも私がしょんぼりしたせいか、次から次へと試食が出てきます。まずはしょうがとしいたけの醤油漬け。これは絶品です。しょうがの辛味としいたけの甘みに醤油の香り、酒にもご飯にもあう味です。次は山芋のピクルス。山芋のぬるぬるにきりっとした酢の味の取り合わせがとても面白い仕上がりになってます。さらには大根の醤油漬け。おう、安定的。大根のぱりぱり感と甘醤油に唐辛子と王道を行く美味しさです。結局、山芋のピクルス以外を購入することにしました。1g1円の買い物で計600円です。
「どこさ行ぐのー?」
「飯坂温泉まで行くんですよ。今晩はコイツでお酒呑みます」
「あらぁいいごとぉ!聚楽に泊まるのがい?」
一同爆笑
なぜ爆笑するかというと、ホテル聚楽は良くも悪くも有名なんですよ。
こんなの(01:00から)とか
こんなのとかをCMとして流しているもので。そのあまりのアレっぷりはエロスを通り越して老若男女の笑いを誘う仕上がりになっております。
そんなこんなで馬牛沼を後にし、しばらく走った後、お昼ご飯にします。今回もお弁当。経費節減、健康第一なのです。

��手前から 小松菜を包んで焼いた豚肉、鳥のガーリック焼き、ほうれん草のおひたし、卵焼き、ごまとゆかりのご飯、ごぼうとニンジンの漬物、赤かぶの甘酢漬け、きゅうりの古漬け)
どれもこれも美味しいのですが、豚肉の小松菜巻きが絶品です。アスパラも美味しいのですが、妙に硬かったり、逆にぶにゃっとしたりしてしまうのが難点。その点、小松菜は安定的な食感と味を保つことが出来ますし、食べ合わせも良いですしね。ごぼうの漬物は漬物講座でご紹介したものですが、それをアレンジしてくださった
(´ω`)さんのこの記事にのっとって作ったモノです。硬さもだいぶ抑えられるし、ニンジンも美味しいしと言うことなし。あのオカンにしてこの娘あり、と良い意味で思い知らされました。
なんでもない話をしながら車中でご飯をほおばっていると、徐々に日が差してきました。いい休日だねぇとしみじみしながら食休め。デザートはホワイトデーの戦利品であるところのイチゴチョコ。フリーズドライなイチゴをホワイトチョコがコーティングしてあるんです。これウマーと盛り上がる頃には風がびゅおおおおと吹いて車を揺らします。顔を見合わせて、天候が悪化しないうちに出発することにしました。
日が差したのもつかの間、今度は雨です。ほんと、天候には恵まれないよなぁ。直接飯坂に行ってもよかったのですが、前回呑んだ
ゆず酒を購入するために
コラッセ福島へ。お土産も買い込んで準備万端。さぁ飯坂温泉へ!と車に乗り込むと外はみぞれ雪。なんたる…。
コラッセ福島から飯坂へはものの15分といったところ。
「天候も天候だし、さくっとホテルへ行って温泉入ろ」
「ホテルの地図はー?」
「ナニソレオイシイノ?」
「…。」
迷うこと20分。コンビニで道を聞いてようやく到着したのが、
くつろぎの宿 はなたき さん。檜露天風呂にワクテカしながらチェックイン。いそいそと浴衣に着替えてからお菓子チェックを行います。

むう、ドラ焼きの薄いヤツ、って感じですね。あまり…おいしくなかったとです。このお菓子がきっかけとなって、ハイパー漬物タイムに突入。お茶をのみのみ漬物をぽりぽりします。いやぁ、癒されるわぁ。

檜露天風呂に入ってさっぱりしっとりした後は、待望のお食事タイム。

ふろふきだいこん

おさしみ

副菜

ホタテのぐらたん風

なすの揚げだし

きりたんぽ鍋
その他、食前酒、豚の角煮、茶碗蒸し、パイナップルのシロップがけ、ご飯とお味噌汁などなどボリュームたっぷりの夕食です。どれもこれも美味しくて、風呂上りのビールとともにぱくぱく食べてしまいました。今回は正真正銘ビールですよビール。
あまりの美味しさにふと気づいたら食べ終わってしまっていたのですが、茶碗蒸しが絶品でした。珍しいことに、なかにモッツァレラチーズが入ってるんですよ。これがおだしと合わさってすごく濃厚な味になっていて…今思い出してもよだれが出るほどです。家庭でも出来るかなぁ?
お腹いっぱい幸せいっぱい。膨れたお腹をさすりながら

読書タイム。本を読んだり横になったり、温泉に行ったりとゆるやかに時が過ぎていきます。至福の時間ってのはこういうことを言うのだと思い…いやいや、至福というのは言い過ぎかもしれません。やっぱりこれがないとね!

ぷちぷち。

ゆず酒。
発泡性日本酒といえば、宮城県民としては一の蔵酒蔵の「すず音」を押したいところ。今回呑んだ「ぷちぷち」はいまいち日本酒から抜け切れていないというか、せっかく発泡性にしたのに、日本酒特有の甘ったるさが足を引っ張っているという感じのできばえ。美味しくなくはないんだけど、うーん、惜しい。
ゆず酒は相変わらずの香りのよさ。この香りが甘さと溶け合ってとってもおいしい。ジュースのような感覚ではあるものの、どこかに「純米酒ですがなにか?」といった力強さもある。これはホントに銘酒。機会があれば是非お試しください。
肴は飯坂温泉名物ラジウム卵。

あとは漬物や、めったに食べないポテトチップス等の乾き物を出してきて宴会。藤沢周平は冗長で困るだの、あの余韻がいいんじゃないかだの、飯坂温泉のお湯は良いねぇだの、その点洞門冬二は簡潔明瞭でいいよねだの、佐伯一麦はいつまで同じネタやるんだだの、とりとめもない話をし手いるうちに夜は黒さを増していきます。
前回のように地震に叩き起こされることもなく、さわやかな目覚め。窓を開けると…んむ、これは絶好のドライブ日和といった感じに晴れ上がっています。

ひとっぷろ浴びて、朝ごはんです。昨晩の夕食が美味しかっただけに、いやがうえにも期待が高まります。

ら、ラジウム卵がない…だと…?しょんぼりしながら箸をつけます。うーん、なんだろ、全体的に甘めで、ご飯のおかずとしてはちょっと厳しいうえに、メインのおかずのお肴がえらく生臭く…残念でした。
気を取り直してお宿を出発。せっかくですから足湯を楽しんでいきます。今回は「
ちゃんこちゃんこの湯」にお邪魔しました。

石で出来た桶にちょっと熱めのお湯が豊富に流れています。いそいそと靴を脱いでぽちゃーん。あー、なんか凄くじんじんする。温泉ってなんでこんなに気持ちいいんだろ。
明日は仕事ということもあり、さくっと帰ることにします。お昼は
白石温麺茶屋にて白石温麺をいただきます。一般的に流通しているのは乾麺タイプのものなのですが、私は正直、あまり好きではありません。とはいえ、結構な暴飲暴食をしたお腹には優しいに違いないと思ってのお店のチョイスだったのです。相方さんは嬉々としておりましたが…。
ところが、来たものを一口食べてビックリ。こんなに美味しい代物だったっけ?茹で方の違いかなぁ、おいしいねぇとあっという間に完食。お店の説明文を見ると、乾麺ではなく生麺を使っているんだそうです。そうかそうか、乾麺と生麺ではこんなにも違うのか…。
# お腹がすいていたのか、カメラを持っていくのを忘れました。よって、写真はありません。orz。
仙台までは45分ほど。時間はまだ早いし、せっかくの休日だし。と言うわけでこちらへお邪魔。

仙台は桜ヶ丘公園(通称:西公園)の中にある源吾茶屋さん。ここでずんだ餅を食べることにします。

第三回料理祭りでずんだを作りましたが、いやはや、手間かかるんですよね、あれ。源吾茶屋さんも同じく、昔ながらの製法で餅もずんだも作っているとのことなので、ハイパーづんだ砲を日夜打ち込んでらっしゃるのでしょう…作ってくださった方に感謝しながらいただきます。んむ、荒めに仕上げられたずんだがとても美味しいです。やっぱり塩味が効いてないとずんだはおいしくないですよね、うん。
年度末のバタバタの合間を縫っていく小旅行というのもなかなか乙なものです。改めて温泉のよさだったり、何もない時間の大切さだったり、地元の楽しいところ・美味しいところを再発見できたりするのはとても楽しいですし、ストレスの解消にもなります。不景気な世の中ではありますが、だからこそ休みの日にはきっちりとリフレッシュして平日の業務やよしなしごとに立ち向かう英気を養うことも大事だと思うんです。良い Input があれば良い Output をすることも出来ますからね。
そんなこんなで、今回は旅日記でした。ぐだぐだとなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。